鉱物・岩石を採取する区域の周辺には、一定幅の林を残すとともに、一度に大きく崩さないようにし、切羽(採掘場)を最小限に留める計画として、自然環境や景観等への配慮を行っております。
砕石場内から粉塵や土砂の流出が起こらないように、周辺地域への環境対策や治山機能を維持し災害を防止するための排水路、かん止堤等を設計・施工・管理しております。
砕石を作る過程においては、環境保全を最優先課題として取り組んでいます。
砕石現場では、区域内の生物相を あらかじめ調べ、貴重なものや自然性の高いものを避けて、採取区域を設定するようにしています。これらの周辺には一定幅の林を残したり、緑化についての配慮を行っています。
洪水調整池は多量の雨が降った時、一度に大量の降雨が流れ出さないため。沈砂池は小粒径の石や土砂を沈下させて貯留させるため。両方ともに、河川の水を浄化させる機能があります。
雨水を安全に排水させるコンクリート側溝。素掘側溝は、斜面の安定を図るために欠かせません。常にゴミや土砂が溜まらないように気を付けます。
砂利を洗浄した水に含まれる目に見えないほど微細な粒子を薬剤を使い、ろ過して回収する装置(シックナー)
ダンプトラックタイヤ洗浄装置。工場内でタイヤに付着した泥を一般公道に持ち出さないため、水で洗い流します。
散水車。運搬道路から巻き上がるホコリを押さえるために、場内を巡回して回ります。
台風などの大雨時、場内から場外へ土砂や製品が流出しないように、鉄製の扉を設置。被害拡大を防ぎます。
周辺道路にも散水して、埃の発生を防ぎます。
製品を運搬するベルトコンベアーには必ず散水して埃の発生と品質の維持に努めます。
破砕・選別する機械は、音を遮断するため、防音建屋の中に設置します。
砕石の作業には、作業・安全のための「火薬類取締法」「環境基本法」「地球温暖化対策の推進に関する法律」や開発規制についての「森林法」「自然環境保全法」など約18の法律が関係します。
作業には、重機を扱うための「車両系建設機械技能講習」や「粉じん業務に係る特別教育」、「アーク溶接特別教育」など、たくさんの資格が必要となります。
採石事業は、皆さまの日常生活や産業活動を支えるために必要な、建物や道路、橋、グラウンドなどを造るために不可欠な材料を供給するという大切な使命を担っていますが、一方で自然環境に変化を与えます。
森林を伐採し岩石を掘り取るために裸地化する場所が発生してしまいます。このため、採取した後は、山林に戻すための「緑化」を行う義務があります。砕石の採取が終わった場所から順次、跡地を成形して植樹を行っております。
採石事業を営む者として、自然の恩恵を受けた後は、山をもとの姿にもどす責任があると考え、そのため自然環境保護、景観保全の観点から、採石場跡地の緑化を行っております。
採掘を行っていくと、採掘が完了して残った斜面が形成されます。その斜面を残壁(ざんぺき)と呼びます。
残壁の安定性を保持させるため、がけ崩れ等の災害を防止できる角度・形状に設計し、正確に採掘し、採掘完了と同時に、残壁を緑化していくことにより、元の豊かな自然環境に近い状況に復元していきます。
緑化においては残壁法面および小段部に客土・保護工・植栽を行い景観を向上させると同時に安定化を図って、自然崩壊等による災害を防止します。
小段(斜面と斜面の間に設ける平らな部分)には、ていねいに樹木を植えます。
小段には厚さ1m程度の土を盛ります。
切取斜面の緑化を図るため、草の種子と肥料、付着剤を混ぜた資材を吹付けます。
植えた木がシカやイノシシに食べられないように一本ずつ囲います。
ウサギ等の小動物を防ぐ防獣ネットの設置を行います。
高圧電流を流して獣を防ぐ電気柵の設置を行います。
森林の再生は1日や1年では出来ません。少なくても15年以上大切に手入れしながら管理しなければ、健全な森林は造れないので、私達はなるべく早く、様々な機能を持つ森林を復元するため、掘削した翌年から緑化に取り組みます。
最初は草木類を生やし、稚樹を樹栽し、枯れたら植え直し、乾燥時には水を与え育てます。紅葉したり実のなる木を植えたりすると、リス等の小動物も見ることができるので様々な風景も楽しめます。